『子供が中学受験をすることになった。』
それは、お子さんの意思ですか?それとも親の意思ですか?
お子さんから自発的に?それとも、親が説得して?
長年いろんな親子関係を見てきて感じたことを、事例を交えてお伝えします。
私の息子は小学生の頃、野球のリトルリーグに所属していました。その父母会の席でのことです。あるお母さんが、「子供を塾に通わせることにしたので野球を辞めさせることにしました。」と監督に伝えにきました。本人が自ら監督に伝えたのではなく、本人が居ないところで母親が監督に伝えたのです。監督は驚き、苦笑いしながら「毎回楽しそうに練習しているのに・・・・お子さんを東大にでも入れたいんですか?」お母さんは、「もう決めましたから。」という様子でした。
私はその時《無理やり塾通いさせることにしたのでは疑惑》を抱きました。その頃、息子が通っていた小学校では、お受験(中学受験)するお子さんの割合が高く、4~5年生になる頃には塾通いを始めるお子さんが多かったのです。私自身も息子の同級生のお母さんから、「咲坂君は、どこを受けるの?○○中学?それとも○○中学?」と、受験するのが当然のように聞かれたことがありました。その時私は受験に関して全く考えておらず「本人に聴かないとわからい。」と答えました。そして息子に確認しました。「中学受験するには塾に通って勉強する必要があるけど、どうする?」もちろん、息子が「どうしても受験したい!」と言い出したら、その意思を尊重するつもりでした。その答えは「野球やりたいから塾には行かない。」と、あっさり。やっぱりね(^-^;)
話を戻しますが・・・好きな野球をやめて塾通いをするという選択は、本当に本人が選択したことなのか?納得したことなのか?ということが問題です。
もし、無理やり納得させたとしたら・・・それは、そのお子さんにとって大変酷なことです。楽しいと思うことができる時期、身体を思いっきり動かせる時期に、自分の意に反したことをせざるを得ないとしたら・・・その時は一時的に親に従うかもしれませんが、将来はどうなるかわかりません。
仮に、合格した中学校が自分に合っていて楽しいのならよいのですが、もし合わなかったら・・・
描いていた学校生活と乖離が大きかったら・・・
その時子供はどんな気持ちになるでしょうか?
親を恨むか、それもできずに心を病んでしまうかもしれません。
合格した途端に燃え尽き症候群のようになってしまうかもしれません。受験は子供にとって大仕事なのですから。
子供は、受験したらこうなるなど、自分の将来のことまではイメージできません。なので、メリット・デメリット・考えられることを全て話したうえで、最終的な判断は子供に委ねましょう。子供の進路については、子供自身の気持ちを聴いてあげて欲しい。そして、自分で選択させて欲しい。子供の気持ちをコントロールしないで尊重して欲しいのです。